【方界胤ヴィジャム】とかいう持久戦特化型一本槍【遊戯王OCG】




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皆様こんばんは。

今回紹介するデッキは第6回謎の男子会オフに参加させていただいた時にも使用した「持久戦特化型一本槍」、【方界胤ヴィジャム】です。

前から使っているお気に入りのデッキで、記事を書こうとは思っていたのですが先送りにし続けて今に至ります。

この記事を読んで「ワシもこれ組むンゴねぇ」ってなってくれる人がいると幸いです。

 

【方界胤ヴィジャム】

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レシピなのか。初めてご覧になった方は「なぁにこれぇ」って思ったかもしれませんが、このデッキは「方界胤ヴィジャム」、より厳密には「方界降世」を擦り倒すデッキです。

お察しの通り大会とかで戦える性能はしてないのでカジュアル用……なんですがこのデッキ、持久戦能力に極端に振り切っているので「負けないけど勝てない」という状況がまぁまぁ発生します。EXデッキと装備魔法の殺意を高めることで対処していますがそれでも全然起きる事はご理解ください。

 

・方界カウンターについて

1部方界カードの効果によって置かれるカウンターであり、このデッキどころか【方界】全般で妨害の要となるカウンターです。

このカウンターが置かれたモンスターは

・攻撃不可

・効果無効

となります。つまりアンディメンション化するという事ですね。

1度乗せてしまえば機能を発揮する強力なカウンターですが、表示形式の変更や各種素材としての運用は阻害出来ず、効果の“発動”までは封じないため効果処理をフィールド外で行うタイプのモンスター効果はカウンターが落ちてしまうため止められません。

この記事では「遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」劇中の表現に合わせて「方界カウンターが置かれている状況」を「アンディメンション化」とも記載します。

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・メインデッキのカードについて

通常の【方界】であれば「暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ」の特殊召喚のためにデッキの大半を複数種の方界カードで埋めるわけですが、このデッキにはそんな洒落たモノは入っていないので方界カードはヴィジャムと相性の良いものを数種、あとは汎用カード(汎用カード……?)でデッキを構成しています。

 

採用した方界カード

・「方界胤ヴィジャム」

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「じきにわかるさ、じきにね……」

このデッキの主役であり「メインデッキ唯一のモンスターカード」。闇属性 悪魔族 レベル1 攻撃力0 守備力0のモンスターです。

①戦闘破壊耐性効果

②戦闘後、戦ったモンスターに方界カウンターを置きながら永続魔法化する効果

③「②」で永続魔法化している自身を特殊召喚する効果

の3つを持ちます。3つの効果が全て連動しており、「自爆特攻→アンディメンション化→モンスターを破壊する効果を魔法罠ゾーンで凌ぐ→次ターンに再展開して自爆特攻」といった具合に相手モンスターゾーンをアンディメンション化したモンスターで埋めていきます。③の効果は②を使ったターンでも使えるうえに表示形式の指定もないため「盤面がガラ空きで危ない」と感じればメインフェイズ2で守備表示で再展開して壁にできますし、②の効果は任意なので追撃されないように効果を使わず壁とする事もできます。

後述の専用サポートもあり優秀なモンスターではあるのですが攻撃力0ということでそのままでは戦闘要員にはならず、「ダメージ軽減効果が無い」「効果への耐性は無い」という弱点もあり、特に前者は自爆特攻を繰り返すヴィジャムにとってはかなり痛い弱点となります。「方界降世」のためにもある程度は自身のLPは減らしたいですがそれで死んでしまっては元も子もないので何らかの対策は必要です。効果による除去と無効化はあきらめましょう。

 

・「方界降世」

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このデッキを成り立たせているキーカードで、

①攻撃をデッキ内のヴィジャムに誘導する効果

②相手よりLPが2000以上低い場合に墓地の自身を除外し、ヴィジャムを最大3体展開する効果

を持つ通常罠カードです。方界カードですが、方界サポートでは無く「方界胤ヴィジャム」のみをサポートする効果を持ちます。

①も強力ですが②が特に強力で除外以外の任意の場所からヴィジャムを展開、相手のフィールドにのみモンスターがいる状態で発動していれば更に2体まで展開できます。墓地効果で戦闘破壊耐性モンスター効果無効効果持ち3体を展開、後の展開に制約が掛からないという破格の性能ですが、LP2000以上の差という決して軽くはない発動条件を持つため、それなりの下準備が必要になってきます。

このデッキの名称は【方界胤ヴィジャム】とはしていますが実質これが本体です。

 

 

・「方界法」

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永続魔法。このデッキの回転と守りを支えるカードです。

①手札の方界カードを1ドローに変換する

②自分が受ける方界の戦闘ダメージを0にする

③墓地の自身を除外し、墓地の方界モンスター1体を手札に回収する。

効果を持ちます。②はヴィジャムと非常に好相性。「方界降世」のためにLPを減らせないというところは弱点とも言えますが、他にもLPを減らす手段はあるので欠点にはなりづらいでしょう。①は説明不要ですね。手札に来てしまった「方界降世」を墓地に送りながらドローするのが特に強力です。また同名カードをコストにすることも可能。このカード自身も③の墓地効果を持ちます。③の回収効果は一見「方界降世」があれば要らないようにも見えますが、降世の②が撃てないあるいは自分フィールドにモンスターがいるという状況ではこちらの出番も出てきます。

 

・「方界縁起」

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通常トラップ。

①方界モンスターの数まで方界カウンターをばら撒く効果

②墓地の自身を除外して方界モンスターがアンディメンション化したモンスターを戦闘破壊する度に破壊したモンスターの元々の攻撃力分のバーンを行う効果

を持ちます。「対象に取らずにノーコストで複数のモンスター効果無効」は極めて強力ですが単体では機能しないため採用数はやや抑え、「トラップトリック」に対応する2枚としています。高火力型の装備魔法の存在から②も案外出番があります。

汎用カード

・墓地に「方界降世」を送るカード
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墓地肥やしとして「おろかな副葬」と「バージェストマ・マーレラ」を採用。前者は即応力に加え「方界法」も落とす事が出来、後者は罠なので奇襲的に「方界降世」を墓地に送れます。また「方界降世」の再利用のために「バージェストマ・レアンコイリア」も採用。カードを除外から戻す効果を持ち、「方界降世」の再利用はもちろん、何らかの効果で除外されてしまった「方界胤ヴィジャム」を墓地に戻す事もできます。

 

・ドローソース

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「強欲で謙虚な壺」「命削りの宝札」「チキンレース」を採用。前者2枚は特殊召喚に制限がかかりますが、「方界降世」は相手ターンに発動できるため大したデメリットにはなりません。「命削りの宝札」は大量ドローに加えてうっかり手札に来てしまった「方界降世」を墓地へ送る事ができ、「チキンレース」はLPを支払えるうえに戦闘ダメージ軽減効果まであります。「チキンレース」は同名の発動に制約がないため2枚あれば一気に-2000LPすることもできます。

 

・装備魔法と「Ai打ち」

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このデッキのメインダメージソースです。

・装備モンスターをダイレクトアタッカーにする「光学迷彩アーマー」

・1人でも団結!装備モンスターの攻撃力を自軍モンスター1体につき800上昇させる「団結の力」

・むしろ助かる!LPを2000円支払える「サイコ・ブレイド

・元が0なら実質強化型デーモンの斧!「進化する人類」

を採用。「光学迷彩アーマー」を除けば全体的に上昇値がかなり高く、特に「サイコブレイド」と「進化する人類」はデッキコンセプトとの噛み合いもいいです。「サイコ・ブレイド」は相手にも装備でき、100円単位でLPを調整できるため「方界降世」の発動条件を満たすには最適だったりします。必要なら相手に装備する事も視野に入れましょう。

召喚権は最悪捨ててしまってもいいため「アームズ・ホール」を3積みし、状況によって選べるようにしています。運が良ければコストで「方界降世」が落ちます。

 

「Ai打ち」は戦闘破壊耐性を持つモンスターとの相性が抜群(というかそういうデザイン)なので採用。対戦相手がこの世のものとは思えない気の狂い方をしている場合を除き、明らかに何かあるとしか思えない攻撃表示の「方界胤ヴィジャム」を殴って貰える事はまず無いのでこちらから仕掛ける際に発動することになります。

 

・「フェアーウェルカム・ラビュリンス」

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悪魔族をサポートする通常罠。悪魔族がいる時、戦闘を無効にしてフィールドのカードを破壊しながらデッキから(手札からも可)ラビュリンス以外の通常罠をセットできる効果を持ちます。タイミングこそ限られますがアドバンテージ比+1以上を誇るパワーカードであり、こちらからの攻撃にも反応できるため能動的に発動することも出来ます。ヴィジャムがいないと機能しないカードなので採用枚数を絞ってトラップトリック対応の2枚としています。

 

・「苦紋様の土像」
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くもんようのどぞう。「くもんさま」では無いです。罠モンスター。他に罠モンスターが居ると対象耐性が付くオマケ付き(バージェストマのような「罠カードとしては扱わない」タイプでもOK)。魔法罠ゾーンからモンスターが特殊召喚された場合にフィールドのカードを破壊するモンスター効果を持ちます。この効果は罠モンスターの特殊召喚である必要が無いため「方界胤ヴィジャム」でトリガーを引ける他、ターン中1回の制限が無いため連発することもできます。永続罠故にアクセスしづらいのは弱点。

 

EXデッキのカード

基本ギミックはメインデッキ内で収まっていますが、やはり戦闘ちからに欠けるため、そこを埋めるカードを中心に採用。チューナーや融合がないため採用カードは必然的にリンクかエクシーズとなります。

 

・リンクモンスター
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レベル1を素材に要求する「リンクリボー」や「サクリファイス・アニマ」の他に「S:P リトルナイト」や「アクセスコード・トーカー」といった大会環境でも見かけるようなカードを中心に採用。ただただ強いカードなので説明は省略しますが、リンク4まで行くには「方界法」の墓地効果(+召喚権)やバージェストマなどを使う必要が出てきます。

 

・ランク1エクシーズモンスター

レベル1が複数並ぶデッキなので展開は得意中の得意。「LL-アセンブリー・ナイチンゲール」は「サイコブレイド」「進化する人類」との相性も良く、ワンターンキルも視野に入ってきますし、最悪仕留め損ねても「エクシーズモンスターの戦闘」はかなり大きな意味を持ちます。

 

・「No2 蚊学忍者シャドー・モスキート」
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ランク2なのでバージェストマから展開。全体的にデッキと噛み合った効果を持つ決戦兵器その1。「戦闘ダメージを受けない」「攻撃強制」「条件付きのバーン」効果が追加された「魔改造方界胤ヴィジャム」といった使用感。X素材の数までしかカウンターをおけず「幻覚カウンター」は攻撃阻害効果を持たないものの、発動タイミングが攻撃宣言時と早いうえ、「攻撃宣言全てに反応する」「カウンターが既にあれば代わりにバーンを行える」「さらにターン1もない」というトンデモっぷり。もうコイツひとりでいいんじゃないかな。

相手フィールドに攻撃力2667以上のモンスターが入ればコイツを含む自分モンスター4体でワンターンキルが成立します。ヴィジャムの自爆特攻は「方界法」で反射ダメージを抑えられますし、最後の攻撃宣言の反射ダメージはダメージ計算より先にバーンが入って勝てるので無視していいです。あとコイツも「戦闘しやすいエクシーズモンスター」ですね。

 

・「厄災の星ティ・フォン」
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対大型モンスター用決戦兵器。素材としてはバージェストマが望ましい(召喚方法的にもバージェストマを素材にすることになるかと。)ですが、必要ならヴィジャムを素材にすることも視野に入れましょう。

バウンス効果に加えて攻撃力3000以上の効果発動を阻害する効果を持つので、相手が静かになっているうちにアンディメンション化させるといった芸当が可能。方界カウンターは攻撃も封じるため、間接的にこのカードを戦闘から守ることが出来ます。ちゃっかり悪魔族なので「フェアーウェルカム・ラビュリンス」にも対応。

 

・「反攻兵器AA-ZEUS」
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脅威に対抗するため生み出されたのは、皮肉にも神の名を冠する魔物だった。号されし天霆の名の如く、その雷は空を焼き、星を砕き、神を殺す。「人類最大最後ノ究極的一撃ヲ以テ災禍ヲ撃滅スベシ──」『反攻兵器AA-ZEUS』は、幾度もの全滅の末に人類が辿り着いた、運命に抗い、全てを滅する十二番目の矛である。 (ザ・ヴァリュアブル・ブックEXより) 

 

戦術
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まずはとにかく「相手よりLPが2000低い」「墓地に「方界降世」がある」状況を目指します。

手札に「方界胤ヴィジャム」が来た場合、セットすれば壁に(効果は任意かつ発動タイミングがダメステ終了時なので影響なし)、通常召喚すれば「方界縁起」の発動条件を満たす(実際にセットされていなくともブラフを警戒させやすい)のでお好みで。基本的に「方界縁起」か「方界法」がないならセットで良いですが戦闘でライフ差をつけるために手札に残すという選択肢もあります。

「方界降世」の②発動後は自分と相手のリソースと相談しながら攻めていきます。相手がモンスターを出していて且つ自分がバージェストマを展開できているなら「No2 蚊学忍者シャドー・モスキート」で攻め込み、そうでないならリンクモンスターかランク1Xモンスターで攻め込みます。装備魔法にアクセスできている場合はそちらの方が火力が出る場合もありますし、フィールドに「方界胤ヴィジャム」を残す事ができますのでココは臨機応変に対応してください。

ライフ差がなくなってしまうと「方界降世」の②が発動できなくなるためなるべく仕掛ける時は一気に焼き切りたいところ。特に相手のLPが3000を切った辺りからそのデュエル中での発動難易度がかなり高くなってくるのでそこはしっかり意識しておきましょう。

 

弱点

最初にも書きましたが「勝てないし負けない」という状況がまぁまぁ発生します。要は膠着状態に陥っちゃうんですね。大会ならまだしもフリー対戦などのカジュアル環境でこれは致命的で「お互いにただただ疲れる」「時間がもったいない」ということになってきます。(かといって“舐めプで負ける”のも相手に失礼ですしね。)EXが殺意高めなのはこのためです。

戦術的な話をすると「方界胤ヴィジャム」が除外された時、「バージェストマ・レアンコイリア」で戻すしかないという弱点もあります。またX素材にされたりするとそのモンスターを処理するしか無くなるため更に厳しい戦いになってきます。

自傷を行うデッキも苦手でLPの差をつけにくくなるため苦戦を強いられることになります。

 

まとめ

方界デッキといえば「クリムゾンノヴァだしてドーン!!」ってデッキという印象のある方も多いかもしれませんが、それを支える「方界胤ヴィジャム」も悪くない性能してるよね?というデッキでした。繰り返しますけど大会環境でやっていけるデッキでは無いのでこれでCSに出て「負けたんやが!?」とか言われても私は一切の責任を負いません。

 

ここまでご覧いただきありがとうございました。またお会いいたしましょう。(レン)

 

 

 


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まぁ実際こいつ馬鹿みたいに強いからな……